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松木重雄
宿屋の宣伝と思われても困るが、明神館の二階から見る明神岳は、上高地で見る山のうちで
いっもきまった部屋に入り、窓を開けると、この表紙そのままで、「ああ来たな!」と思う。
徳沢から見る明神、前穂や、横尾谷から見る北穂は、
このごろはもう、明神止まりがせいぜい。
五月、残雪の美しい形、梢の先まで透けて見える化粧柳の新緑、鶯や山雀が囎り、
なんの因果か自分でもよく記憶していないが、一度も宿賃を払ったことがなく、
あと十年で私も八十五歳になるから、それまで厄介にたれるかなあ:…・と
近々、明神館は建て替えるそうだが、何十年も山を見続けてきたこの古い部屋がなくなってしまう 長野県人会連合会発行、『信州の東京』92年9月号より |
故、松木重雄画伯 大正六年、上水内郡信濃町に生まれる。長野師範、東京高師、 東京文理科大学卒業。東京高師、東京教育大学教授、 筑波大学芸術学群長を経て、筑波大学名誉教授。 日本相撲協会相撲教習所主任講師(社会学担当)。 日展特選、菊花賞、会員賞を経て日展参与。 平成二年に、「勲二等瑞宝章を受章」 「示現会会長」
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コメント 私の祖母の代よりのお付き合い、現在は親戚のようにお付き合い させて頂きありがとうどざいます。 学生の頃から、絵を描く為、 そして当時は、梓川、明神池等で岩魚釣りでした。 近年は禁漁なので残念ですが、上高地をこよなく愛する人です。 |
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