焼岳遭難(?)体験記
1999年夏、信州登山の旅

−−M.Tさんからの投稿

日本百名山の制覇を目指している私は、
この夏、信州の山をいくつか登りたいと思っていた。
そんな時、学生時代の友人で今は横浜に住んでいる
メール友達のYちゃんと一緒に登ろうか、
という話になった。

5月頃からメールで旅の計画を練り、
結局、前半は私一人で「乗鞍岳」に登り、
上高地で合流して一緒に「焼岳」を登る、というプランになった。


河童橋から焼岳

昔は徳本峠から、穂高連峰を見て、上高地に入り
焼岳に登るのが、一般的な観光登山のコースだった。



* 7月28日(水)*

高速バス 大阪8:00発−松本14:00着(往復 \10,100)
小雨の降る中、自宅を6:30に出て、
バスは梅田の三番街バスターミナルを定刻の8:00に発車した。
雨は激しくなっていたが、松本に着く頃にはやんでいた。
お昼御飯がまだだったので、駅の構内で2個入の「お焼き」を買って
電車の待ち時間で食べたのだが、
これがパサパサしていて美味しくなかった。うぅー。(――;

松本電鉄 松本14:33発−新島々15:00着(\680)
やはりこの電車は、降りる人も乗る人も大きなリュックを持った人がほとんど。
新島々で電車を降りると空気が少しひんやりしていた。

バス 新島々15:10発−鈴蘭スキー場前16:00着(\1,300)
バスを降りると雨がシトシト降っていた。
道案内を頼りに今日の宿、YH(ユースホステル)を探す。
数年前にバイクで一度来ているはずなのに全く覚えていない…
と、そこへバイクが私の横を追い越して行った。
どうやらYHはこの方向で間違いなさそうだ。

YHに着いて受付けをしていると、私を追い越して行ったバイクの人が入って来た。
女性だった。しかも同室になった。
早速、お風呂入る。ここのYHは乳白色の温泉である。
お風呂は小さいけど、温泉好きの私にはとても嬉しい。

夕食を済ませ、バイクの彼女の話を聞いて驚いた。
なんと彼女は、西宮から高速を使わずに夜中ずーっと走り続け、
朝6:00に上高地に到着し、
今日は上高地の大正池から徳沢まで歩いて一周した
というのである。タフすぎるーーーっっっ!

で、私が明日、乗鞍岳に登る話をすると
「往復3時間で登れるなら登ってみようかな」
というタフ子ちゃんの返事。す、すごすぎるーーーっっっ!
外は雨がずーっと朝まで降っていた。
乗鞍高原温泉YH (2泊 \9,750)


* 7月29日(木)

朝、YHを出る頃には雨はやんでいたが、合羽を着て万全の体制でバス停に向かう。
タフ子ちゃんはすでにバイクで出発していた。
バス 鈴蘭スキー場前8:50発−畳平10:00着(\2,200)
畳平は聞く所によると車道の日本最高所で標高2700mの位置にあるそうだ。
バスからは夏スキーを楽しむ人の姿も見られた。
峠道が続いたので私はどうやら、山酔いする前に車酔いしてしまったようである。
ここで、お昼御飯を買おうと思っていたのにお土産物ばかりで、
お弁当やおにぎりは売ってなかった。
仕方ないので、蒸したての「赤飯饅頭」を2個買う。

100円のチップを払ってトイレをすませ、10:15登山開始。
まずは、お花畑の道を通り抜けて登山道に出る。
かなりの強風でしかも時々ガスってくる。
そのせいかどうか、道は広いが結構急な登りを道なりに歩いていると、
大きな建物があり、行き止まりに。(・・)???

そこは「コロナ観測所」で、
どうやら私の後を来ていた年配の夫婦も同じく間違えたらしい。
その夫婦と地図を見て相談し、来た道を10分程下ると確かに分かれ道があった。
そこから少し歩き、11:10「肩の小屋」に到着。

ここからは、急な斜面のガレ場。少し登った所で、タフ子ちゃんの声が…
彼女はもう頂上まで登って、下りて来たのだった。
頂上はかなりの強風だったらしい。
頂上近くの「蒼玉神社」から頂上までは尾根道を歩くのだが、
立っているのもやっとくらいの強風で、しかもガスで視界も悪く、
杖で支えながらゆっくり進む。

12:00前に乗鞍岳の最高峰「剣が峰」3026mに登頂。景色は最悪…(――;

真っ白で何も見えない。少ししたら一緒に道を間違えた年配の夫婦も登ってきた。
20分ほど待っていたが、晴れる気配もないので、あきらめて下山することにする。
12:15に下山を開始して、12:45には「肩の小屋」まで降りてきた。
そこで、お昼御飯の「赤飯饅頭」食べる。
買った時は蒸かしたてで美味しそうだったのに、すっかり冷たくなっていた。

畳平の駐車場が見える頃、ガスがとれて青空も少し見え始め、
バスで登って来た「エコーライン」が
山を縫うように走っているのがはっきりと見えた。
そこには登る時には見えなかった風景が広がっていた。

14:00、バス代\2,200がもったいないので、YHまで歩いて降りることにする。
車道をショートカットするように所々にある登山道は、
沢沿いだったり、茂みの中をかき分ける道だったりで、
小さな虫もいっぱいいてそれをはらいながら歩いた。
時々、車道にでるのだが、歩道は無く、すぐ横を車に走り抜けられてこわかった。
さすがにここを歩いて降りているのは私だけのようだった。
最後の山道、摩利支天から鈴蘭スキー場まではかなり長く、
歩きやすかったけど、後半、ササが生い茂って道が見えないワ、
その横はガケだワ、人はいないワ、熊が出そうだワ、とっても不安になった。
こんなことなら、バス代\2,200をケチるんじゃなかった(^^;

17:00、無事にYHに到着。疲れていたのか、21:00には熟睡してた。ZZZZZ…


* 7月30日(金)

今日は上高地でYちゃんと12:00に待ち合わせ。
タフ子ちゃんは、今日は野麦峠を走ってから、
また高速を使わずに家まで帰ると言って、朝食後すぐに発って行った。
最後まで、タフ子ちゃん…

私はすぐに上高地に行ってもよかったのだが、バスをひとつ遅らせて、
近くの「善五郎の滝」を見に行くことにする。
YHから30分ほど歩き、まずは滝見台で滝を上から眺める。
滝のはるか上方には昨日登った乗鞍岳が顔を覗かせていた。
山の上は雲がかかっていたが、今日は青空が広がっている。
そして、善五郎の滝の滝つぼまで下りて、驚いた。
なんと、滝の前に虹がかかっていたのである。
朝日に滝が照らされて、それは見事だった。

思いがけない風景に出会えたのが嬉しくて、
その先の「白樺の小径」も散策しようと思っていたが、
それはまた今度、ということにして、素敵な自然のプレゼントを楽しむことにした。
30分ほどぼーっと見ていると、虹がだんだん下に下りていくのがわかった。
YHに荷物を取りに寄って、虹の話をすると、
善五郎の滝では朝のあの時間しか見られないと聞いて、
なんだか朝から得した気分を味わえた。

バス 鈴蘭スキー場前9:40発−上高地10:50着(\1,800)
Yちゃんとの待ち合わせにはまだ時間があったので、大きい荷物を預けて(\500)、
ビジターセンターで時間をつぶすことにした。
11:40、バスターミナルで待っているとバスは定刻に着いたらしく、
Yちゃんと3年ぶりの再会を果たす。

早速、梓川の河原でYちゃん手作りのサンドイッチをご馳走になり、
穂高の山々と少し雲のかかった焼岳を見ながら、コーヒーを沸かして、
ゆっくりランチを楽しんだ。

さて、上高地の散策はまずは自然探究路を歩いて田代池へ。
そして、その先の大正池で河原に座ってのんびり景色を眺める。
その後、田代橋を渡って梓川右岸を歩き、「ウエストン碑」を見て、
河童橋に戻るという約2時間の散策コースを歩いた。
さすがにシーズンということで人も多い。
預けておいた荷物を受け取り、
今日の宿「明神館」へは、重たい荷物を持って約1時間歩き、16:45到着。

この宿の予約はYちゃんがインターネットとメールでしてくれたのだが、
オーナーがそれで名前を覚えていてくれたのか、チェックインもスムーズだった。
廊下にも、インターネットの天気情報が貼ってあったし、
上高地や山の情報も貼ってあった。
すぐにお風呂に入り、18:00に夕食。
部屋は「Aベット」で6台の2段ベットが並ぶ相部屋だった。
明日は「焼岳」にアタック。お昼のお弁当(\800)を頼み、
朝食は7:00ということなので、朝もお弁当にしてもらう。
明神館 (2泊 \16,800)


* 7月31日(土)

天気は最高! きっと焼岳山頂からの景色も最高だろう。

7:00に宿を出てバスターミナルで朝食のお弁当を食べる。
7:55発の新島々行きのバスに乗る予定だったが、
沢渡まではマメにバスが出ているということで、
結局8:15のバスに乗り、中の湯で降りる。
交通量の多い道を少し上ると「焼岳登山口」の看板があった。
8:40、登山開始。しばらく進むといきなり沢登りになった。

…しかし、これは後からわかったのだが、
この時すでに私達は道案内をひとつ見逃して、
登山道から外れているのである。(――;;;;;

地盤もゆるくて石や岩が多く、斜面も急になり、足場も滑りやすくて、
石をどんどん下に落としてしまう。
危ないので下から登っているYちゃんに間隔をあけるように言った。
沢だと思って登っていたのはどうやら巨大な崖崩れの上だったようで、
登山者が誰もいなくて「変だな」と気が付いた時は随分登っていて、
この崖崩れの一番上にいた。
ロープも鎖もないまま、
ちょっと間違えたらそのまま下まで落ちてしまいそうな崖崩れの一番上
やっとの思いで越えると、そこはササヤブの中だった。
Yちゃんはさっきの「崖崩れ越え」で肘を怪我していて、
とりあえず傷の手当をし、辺りを見渡すが背丈より高いササが邪魔して見えない。
地図とコンパスで確認してみるが、自分達がどこにいるか、
はっきりしない… でも、
登山口からまっすぐ崖を登っただけなので、
たぶん西の方に行けば、登山道があるだろう、という結論に達し、
ササをかき分けかき分け左に進む。
しばらく行くと、ササから顔を出せた。しかし、一面ササだらけ。

ササヤブを横切って小高い山の斜面を登ったところで、作戦会議。
登山道は見つからず、自分達が山の中で迷っているという事態を認識し、
頂上はあきらめて(当然だが…)なんとか下に降りなくては…。
幸い天気は良くて、時間はこの時10時を過ぎたところで、たっぷりある。
それにこの状況の中で、なにより二人とも冗談が言えるほど落ち着いていた。

私はこの時、今日の朝、
出発前に宿で同室だったおばちゃんにもらったカロリーメイトを思い出し、
最悪の場合でも2日は持つな、とひそかに思っていたのだが…

下に向かって歩きたいのだが、斜面が急すぎて危険すぎるので、
とりあえず西へ向かって移動して、降りやすい所を探すことにした。
行っても行っても登山道は見当たらなかったが、
突然、コケのいっぱい生えた石のある沢にでた。
水の流れはなかったが、これをたどって降りれば、下に降りれるはず。
一安心したところで、ちょっと一服。

そこで、Yちゃんのシャツが破れているのを発見! まま、
この沢を下って30分もあれば降りれるし、
裁縫道具もあることだし…ということで山の中でお裁縫が始まりました。
Yちゃんの手が震えて、
なかなか針に糸が通らなかったのには、大笑いした。(^^)

さて、沢を順調に下って行ったが、なんと、突然、行き止まり。
そう、その先は水が流れていたら滝になっているであろう状態の断崖絶壁。
この時、足を滑らせないで良かったよ、ホント。
しょうがない、少し上に登って、また西に歩こうってことで、
急な斜面を「あの木の所まで」「あの尾根を越えよう」と
目標をひとつひとつクリアして進んでいくうちに、
今度は大きな崖崩れが現れた。崖崩れの先を見ると、
車の走っている道が見える。今度こそ助かった。

しかし、今まで不安ながらも冗談を言い合ってここまできたが、
その崖崩れの上に降りてみて、私は急に顔がマジになった。

それは巨大な崖崩れの一番上の方で、
滑りやすい砂地の上に大きな石がゴロゴロしているのである。
心境としては、スキーをしない私がいきなり45度、
いや体感的には60度もあろうかという急斜面の一番上に放り出された状態である。
最初はお尻をついて滑り降りたが、
コース取りを間違えるとそのまま下までまっさかさまという感じだったので、
慎重にゆっくり声を掛け合って降りて行った。
その後も大きな石を乗り越えたり、ずり落ちる石に気を付けながら、
コースをよく考えてゆっくり降りて行った。
崖崩れの下まで降りるとそこは、広場のようになっていた。
目指す車道はすぐそこ。
13:00近くになっていたので、ここでお昼御飯にした。

さて、もう少しだ。
車道までは、背の高い草むらがあってその先がどうなっているかわかりにくい。
そこで、西側に川が流れていたので、それをたどってみることにする。
しかし、一難去ってまた一難… その川はまた小さな滝を作っていたのである。
仕方ない、これは東側の草むらの中に入るしかないってことで、
軽く背丈を越える程の草むらの中をやや東向きに歩くが、前が見えない。
「あの大きな木まで」「あの二股の木まで」というふうに少しずつ進んで行くと、
草むらから抜け出て、登山道が…!!!
14:00、やったー! ついに下山に成功!

登山道を下っていくと、なんだか見たことある風景。
そこには、朝、目にした「焼岳登山口」の看板がありました。

無事、降りれた事を喜び合ったが、どこで間違えたのか、
どうも納得がいかないって事で、もう一度、登山口から登ってみて、
現場検証をすることにした。

すると、20mも歩くと、大きな石に白いペンキで「ヤケ こっち」の矢印があり、
その方向にはしっかり登山道があり、
沢だと思って登った崖には黄色いロープがしてあったのだった。
んんんんんーーーーっっっ???
二人ともその先の沢登りだと思って登った所は覚えがあるのに、
その道案内とロープは全く記憶にないのである。
それが、くどいようだが、二人とも!!

まま、色々あったけど無事だったんで、まっいっか、てことにして、
「中の湯」のバス停まで行くと、リュックを背負った男の人がバスを待っていた。
話を聞いてみると、彼は5:00に上高地から登り、この中の湯に降りて来たそうで、
焼岳の頂上は、天気は最高! 景色も最高! だったらしい。
うぅぅ… やっぱりね。(^^;;;


バスの中の会話。

「で、君たちは…??」
「そ、それが… 焼岳に登るはずが、道に迷って今まで山の中をさまよってました」
「!!!… じゃあ、明日もいい天気だし、明日登れば?」
(おいおい、なにバカなことを言い出すんだ、このお兄さんは)
「でも、私達、明日帰るんです」
「だったら、徳本峠は? 2時間半で登れるから、早起きすればいけるよ」
「おおー!」
Yちゃんはちょっと考えていたけど、私はもう登る気になっていた。
徳本峠は「明神館」のオーナーのお勧めの所。穂高連峰の眺めがいいらしい。

土曜日とあって道が込んでいてバスはなかなか進まない。
明日、徳本峠に登るかもしれないなら、
今日のうちにこの旅の第2の目的を達成してしまおう、ということで、
帝国ホテル前でバスを降りる。
第1の目的の「焼岳登頂」は達成できなかったが、
その第2の目的とは「帝国ホテルでケーキセットを食べる」であった。

まずは、トイレで身だしなみを整え… といっても格好は登山にリュック。
しかも大冒険(?)の後なので少々泥付き。

ケーキは3種類からセレクト出来て、
選らんだのは二人とも「ピーチと紅茶のムース」。
期待を裏切らず、おいしゅーごさいました。
数時間前は山と戦っていたのに、
こうして優雅にケーキセット(\1,350)が食べれるなんて、
幸せでございますわ。ほーぉっほっほ。
…とこの時、口調まで変わってました。(^^)

その後、バスターミナルまで歩いて人でいっぱいの河童橋を渡り、
梓川の右岸を歩いて明神池(\250)を散策。
「明神館」に到着したのは、17:00頃だった。

宿のオーナーが「どうだった?」と声を掛けてくれる。
しばしの沈黙の後、今日のいきさつを簡単に話す。
これも無事帰って来れたから、笑って話せるのかなぁ。


* 8月1日(日)

4:00起床。目覚しが無くてもきっちり4:00に目が覚めた。
Yちゃんは目を閉じると昨日の急な崖を降りているシーンが出てきて、
なかなか寝付けなかったそうである。

徳本峠登山は予定外だったし、昨日、道に迷ったということもあるので、
宿のオーナーにしっかり道を聞いておいたが、
ほとんど一本道なので迷うことはまずないらしい。
しかし、やっぱり不安が… 「道案内はしっかり見よう!」 ということで、
辺りが明るくなり始めた5:00に出発。
最初は車も通れるなだらかな登り。
そのうちだんだん道も狭くなり、壊れかけの橋を幾つかか渡る。
土砂崩れの上を登りきると「峠」というだけあって、
登山道は蛇行しながら登っていく。
時々、見えていた穂高もだんだん低くなっていき、
穂高が朝日に照らされているのを見れば、天気は最高! というのがわかった。
ゆっくりゆっくり登っていたが、道に朝日が射しているのが見えた。
頂上である。時計は7:00をさしていたので、思ったより速かった。

頂上には山小屋があり、テントを張っている人もいた。
その上の展望台に上がって、Yちゃんと思わす歓声をあげた。
抜けるような青空の下に穂高連邦が広がっていたのである。
それは額縁に入ったひとつの絵のようで、雲ひとつ無いので景色が変わらず、
時間が止まっているようだった。

しばらく見ていると、おじさんが上がってきて、聞いてみると、
見えている山の名前を自分の山登りの体験談も合わせて教えてくれた。
最高の景色を見ながら、朝御飯のお弁当を食べて、食後にコーヒーを沸かす。
うーん、最高の贅沢である。

たっぷり1時間半ゆっくりして、8:30下山開始。
下りはテンポよく歩いたので、9:45には「明神館」に到着。
宿のオーナーが笑顔で迎えてくれた。
最高の景色だったことを告げ、無理を言って部屋で着替えをさせてもらった。


宿を後にして、バスターミナルに向かう。
河童橋辺りはものすごい、人、人、人…
お土産を買って、新島々行きのバス停に早めに並んで待っていたが、
予約券の番号順に乗れるので、10分前に並べば、OKだった。

このバスにはYちゃんと、絶対、右側に座ることを決めていた。
というのは、昨日、焼岳で必死の思いで滑り降りた崖崩れを
バスから見てみようというのである。
崖崩れの上から渋滞でゆっくり走る車やバスはよく見えたので見えるはず。
「中の湯」を過ぎた辺りで、
予想通り山に張り付くように3つ並んだ巨大な崖崩れが現れた。
私達の滑り降りたのは向かって一番左。よくあんな急な所を降りれたな、
と思った後、二人は笑い出していた。
もし、あの崖を下っている人がいたら、バスから丸見えで、
本人達は必死だったのに、バスに乗っている人は「もの好きな人もいるなぁ」
くらいに眺めてたんだろうなと思ったからだ。
下を向いて笑いをこらえている二人を、周りの人は不思議そうだった。

バス 上高地12:25発−新島々13:40着
電車 新島々13:49発−松本14:18着 (上高地から松本まで \2,500)


松本は猛暑。やはり上高地は涼しかった。
駅前でざるそばを食べた後、
「ハードな3日間だったけど、これに懲りずにまたいつか一緒に登ろうね」と、
ガイドブックで早くも次に登る山とコースを考えてみたりする。
そして「ではまたメールで逢いましょう」ということで、YちゃんはJRへ、
私は高速バスのバスターミナルへと別れた。
松本16:00発のバスは渋滞もあり、家に着いたのは23:00を過ぎていた。

おわり。


帰ってから、1週間程、猛暑が続いたので、
乗鞍や上高地がどれだけ涼しかったかということを実感した。
今回の旅は、前半の「乗鞍岳」は視界が悪く、ただ登って降りてきただけ、
という感じになってしまったが、

次の日に思い付きで行ってみた「善五郎の滝」で思いがけなく、
滝にかかる虹を見れたことがとても嬉しかった。

「焼岳」では「人生最大のピンチ」に出くわしたにもかかわらず、
Yちゃんも私も冗談が言えるほど落ち着いて行動できたことが、
無事に帰ってきて笑い話にしてしまえる 大きな要因だと思う。
でも宿に帰ってから、
あの時、実はとても不安だったことの打ち明け話に花が咲いたのだった。

「徳本峠」は強行手段で登ったが、
頂上に広がるあの風景が、ホントに行って良かったと思わせてくれた。
さて、次はどの百名山を制覇しようか… (^^)v


焼岳よく帰って来れました

一つ間違えば遭難騒ぎです。

道が違うと思ったら迷わず同じ道を引き返して下さい

でないと、何が待ち構えているかわかりません。
皆さんこんな安易な感じ、場所で遭難することが多いのです。

登山道には必ず、赤マーク、ロープ等有りますから
遊び気分で絶対、見落とさないことです。

ところで
今年は8月1日頃から8月10日頃までが
全く、晴れ続き、良い時にこれて良かったですね。

昔からの徳本峠からの穂高連峰、良かったと思います


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